いままでの成功事例とは多少変わっている。というのは、Mさんは五回ほど会社をかわっているからだ。それも中小企業ばかりを転々としてきたのである。五回目にかわった会社で五年間ほど勤めたときに、体力も衰えてきて六〇歳の定年まで営業部長をやっていくのはきついのではないかと考えたそうだ。それが、五五歳のときだったという。そこで出した結論が、まだ体力のあるうちに自分でできる仕事を見つけようということであった。しかし、何千万円も借金して事業をはじめるのは危険だ。
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一〇〇〇万円くらいの投資でできる確実な仕事はないだろうかと研究したところ、コンビニエンスストアがいいということになったのである。大手のコンビニエンスストアの場合、一〇〇〇万円程度の保証金を払うことによって、そのチェーン店の傘下に入ることができ、自分も経営者として仕事ができる。小さなコンビニエンスストアでも、いちおう自分がオーナーになれるのだ。自分で土地から建物まで手配すると、何億というお金がかかる。しかし、大手のコンビニエンスストアでは、お店も設備も用意してくれる。保証金の1000万円というのは、いいかえれば出資するようなもので、「私も出資者になりますよ」という形でオーナーになるわけである。オーナーだから、利益をあげれば歩合のような形で本部からお金がもらえる。ローリスクでハイメリットという点がコンビニエンスストアのいいところだ。Mさんは現在六〇歳になるが、元気にバリバリ働いている。私に会うたびに、サラリーマンを思いきって辞めてよかったといっている。世の中には、独立して成功している人はたくさんいるのだ。